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◆ 出産一時金(出産育児一時金)は健康保険の代わり
出産は病気ではないので、一部のトラブルを除き、健康保険の対象外です。したがって、出産にかかった費用は、自己負担になります。
しかし、これでは、国の将来を担う子供を産み育てていく人に対し、あまりに冷淡です。そこで、健康保険が適用にならない代わりに、設けられた制度が、出産一時金(出産育児一時金)の制度です。
出産したら、1人につき35万円が支給されます。双子の場合は70万円になります(ちょっと前までは、1人につき30万円でした)。
出産一時金(出産育児一時金)は、健康保険から支給されます。妊婦さん本人が勤めている場合は、妊婦さん本人の社会保険から、夫の扶養になっている場合は、夫の社会保険から、支給されます。
出産一時金(出産育児一時金)は、民間企業の社会保険、役所などの共済組合からだけでなく、国民健康保険からも同様に支給されますので、自営業の人も安心です。
◆ 出産一時金(出産育児一時金)の請求方法
出産一時金(出産育児一時金)の請求は、出産の翌日から2年以内に請求してください。つまり、「時効は2年」です。
申請は、社会保険の場合は社会保険事務所または勤務先へ。共済組合の場合は共済組合事務所か勤務先へ。国民健康保険の場合は市区町村の役所へ。それぞれの窓口に専用の申請用紙があります。
出産一時金(出産育児一時金)を申請すると、通常、早くて2週間、遅くとも2ヶ月後までには、指定の口座に振り込まれます。すぐに欲しいという人の場合、出産予定日1ヶ月以内に申請できる制度もあります(出産育児事前申請制度)。また、出産一時金(出産育児一時金)の一部を無利子で借りられる貸付制度もあります。詳細は、各保険窓口にお尋ねください。
◆ 出産にまつわるその他の手当、助成等
<出産手当金>
会社等に勤務していて、そこで社会保険に加入している人が、産休をする場合に支給されるのが、出産手当金です。出産手当金の支給が受けられるのは、産後も働き続ける人だけです。支給される金額は、1日あたりの給与の3分の2です。日数は、産前42日分、産後56日分の、合計98日が最長となります。ただし、双子等の多胎妊娠の場合は、最長154日に延長されます。出産手当金の申請は、勤務先または社会保険事務所です。
<児童手当金>
前年度の所得が一定額以下の人が対象です。毎年申請が必要です。申請した月の翌月分から、小学校6年の学年末まで、支給されます。子ども2人目までは、1人につき5,000円。第3子以降は、1人につき10,000円です。申請以前の分をさかのぼっての請求はできません。したがって、こどもが産まれたらすみやかに役所で手続きをしてください。
<育児休業給付金>
育児休業給付金の申請は、勤務先で手続きを代行してくれます。育児休業をとった人に、赤ちゃんが満1歳になるまで支給されます。休業をとる前の2年間に、11日以上働いた月が12ヶ月以上あって、雇用保険料を支払っていた人なら、派遣社員やパートでも支給を受けられます。さらに、職場復帰してから6ヶ月以上継続勤務すると、職場復帰給付金が受け取れます。
<乳幼児医療費助成>
子どもが一定の年齢になるまで、支払った医療費を自治体が助成するというのが、乳幼児医療費助成制度です。赤ちゃんが健康保険に加入していることが条件になります。なお、所得制限の有無、対象年齢、助成方法などは、自治体によって違っているので、事前に役所で確認してください。
<失業給付金>
失業したときに雇用保険から支給されます。原則、退職した日の翌日から1年間の支給です。しかし、出産退職した場合は、最長で3年間受給期間を延長することができます。産前産後は働く能力がないとみなされ、給付の対象外になってしまうので、この制度があるのです。この特例制度を受けるには、退職後30日目の翌日から1ヶ月以内に、延長申請の手続きをしてください。
<医療費控除>
その年の1月から12月までの1年間に支払った、本人・家族全員の医療費の合計額が10万円を超えた場合(あるいは所得の5パーセントを超えた場合)、確定申告をすることによって、税金が戻る制度です。しかし、出産育児一時金や保険で補填された分については、医療費から差し引かれて計算されます。医療費控除の対象になるのは、健診費用、分娩費用、薬局で買った薬代、通院のための交通費(里帰り出産の交通費はダメ)などです。領収証をとっておきましょう。
<高額療養費制度>
1人の人が同じ医療機関に支払った1ヶ月の自己負担額が、所定の金額を超えると、高額療養費制度が適用になります。つまり、所定の金額を超えた分の自己負担額は、3割ではなく1%になるのです。ここでいう「所定の金額」は、所得によって異なります。例として、所得区分一般に該当する人の場合、「所定の金額」は80,100円です。以前は、いったん窓口で3割を支払い、超過分については後日還付されるという仕組みでした。2007年4月から変更になり、入院の場合、所定の金額を超えた分については、窓口での支払いが1%ですむようになりました。ただし、これができるようにするには、事前に、加入している健康保険から所得区分を証明する認定証を発行してもらって、それを病院に提出しておく必要があります(そうしておかなければ、「所定の金額」がわからないので)。出産時のトラブルなどで入院が長引きそうな場合は、あらかじめ認定証を取り寄せておきましょう。
(「 出産一時金・出産育児一時金 」の記事 終わり )
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