「職場復帰と育児支援の法律」
◆ 職場復帰のタイミング探し
出産後も、一定の期間を経過した後に職場復帰しようとする人にとって、考慮すべきことは実にたくさんあります。まず、自分自身の体調の問題があります。また、赤ちゃんの預け先の確保があります。そして、自分が勤めていた(これから再度勤めることになる)職場が、産休明けの社員に対してどういう対応をする会社か。こうしたことを考慮して職場復帰のタイミングを図っていくことになります。
いずれにしても、出産後すぐに、それも以前と変わらず仕事ができることは、とてもまれなことです。それは、さまざまな意味で、困難です。たとえば、都合のよさそうな保育園を見つけたとしても、保育園では、最初の1ヶ月は慣らし保育のところがほとんどで、赤ちゃんはすぐに帰らされますし、赤ちゃんの体調が悪いときは休ませる必要があります。このため、ママがフルタイムで働ける環境とはとてもいえないのです。
いっぽう、産休後の職場はどうかというと、法律上はともかく、企業の実態としては、産休中に居場所がなくなってしまうケースもしばしば見られることです。そうなると、会社は「辞めろ」といいませんが、結局は、自主退社のような形をとらざるを得なくなることもあります。また、経済的にも、想定外の出費があることもまれではありません。
また、職場復帰するに当たっては、夫婦の役割分担も、あらかじめよく話し合っておく必要があります。まず、原則として妻がすることと夫がすることを分けておき、手があいたら、臨機応変に自分の分でないことも手伝ってあげる、といった柔軟なやり方がより実際的でしょう。そして、このようにしてお互いの役割を分担するにしても、かりにどちらかが「疲れた」といって自分の役割をこなさない日があった場合、あまり相手を攻めないようにすべきです。こういう点は、いい意味で「いい加減」であるべきです。物事をあまりきっちりやろうとすると、そのうちにパンクしてしまいますから。お互い様だと割り切って、相手のこなすべき役割も、こういう時は、快く引き受けておきましょう。
ただし、甘えっぱなしは、お互い、ダメです。ちょっと相手にやってもらったからといって、それに乗じて、その後もずるずると相手に任せてしまうと、これは後々尾を引くことになります(必ず)。
いずれにしても、子育ては夫婦二人で行うべきものです。家事も仕事も育児もママ一人で背負っていたら、1ヶ月も持たないでしょう。
<<仕事と育児を両立させるポイント 〜先輩ママたちの経験から〜>>
・「周囲への感謝の気持ちを、言葉や態度であらわすようにしましょう」
・「仕事がうまくいかないときなど、子どもがいることを言い訳にしないように(たとえそれが事実であっても)」
・「仕事は、まず全体を見渡し、優先順位をつけます。後は、ひたすらこつこつと順序良くこなしていきます。とにかく、いい意味で、要領よく。効率的にやりましょう」
・「あまり自分の権利ばかり主張しないように(嫌われるから)」
・「職場復帰したママのために、自分の職場にはどんな制度があるか、確認しておきましょう」
・「専業主婦に比べて、子どもと向き合う時間は少なくなります。でも、短時間でも内容が濃くなるように工夫しましょう。とりわけ、スキンシップは一番大事な点なので、肌と肌のふれあいを意識的に行いましょう」
・「周囲の理解度にもよりますが、小さな子どもがいるのに働いていることを、後ろめたく考えたりしていませんか?でも、それは無用の考えです。いかに多くの人が仕事と育児を両立させているかを、改めて思い起こしてください」
・「時には仕事に疲れて子どもにあたりたくなることもあるでしょう。でも、そこはぐっとこらえて。ただし、これは誰にでもあることです。完璧主義のママによくあることですが、子どもに当たりそうになったこと自体を重要に考え、自分をダメな母親だと責める人がいます。でも、これはちょっと完璧主義が過ぎるというもの。そんな立派な母親は、この世のどこにもいません。みんな、多かれ少なかれ、子どもに当たりたくなることがあるのです。ただ、実際に当たってしまってはいけません。そこは、ぐっとこらえて」
・「家事は、基本的に、効率よく。言葉を変えると、手抜きです。いいんです。そこそこの家事で。完璧な家事なんて、絶対に無理ですから」
・「料理の下ごしらえや、つくりおき、買い物など、休日にまとめてやっておきましょう。掃除だって、きっちり毎日やらなくたって、べつに死にはしませんから」
・「電子レンジを使った調理法、フリージング方法など、この機会に、徹底的にマスターして、効率のいい家事(手抜きの家事)を身につけましょう」
・「近所の総菜屋さん、デリバリーなどを、頻繁に利用しましょう」
◆ 母乳対策
職場復帰するママにとって切実な問題として「母乳対策」があります。母乳は、出勤前と帰宅後に飲ませ、昼間は搾乳したものを預けてある施設で飲ませてもらうようにしましょう(施設によっては母乳の持ち込みが不可なところもありますが)。職場で乳房が張る場合は、ロッカー室とかトイレで搾乳器に絞るなどの工夫も必要になります。
◆ 育児を支援する法律
(育児休暇)
生まれた赤ちゃんが満1歳になるまで利用できます。両親のいずれか一方が利用できます。両親が交互に取ることもできます。
(育児時間)
赤ちゃんが満1歳になるまで、休憩時間のほかに、1日2回、少なくとも各30分の育児時間が取れます。
(3歳未満の子を養育する男女労働者のための処置)
満3歳未満の子を養育する男女労働者のために、事業主は次のいずれかの処置を講じるよう、法律に定められています(すべて、でなく、いずれか、ですが)。
・短時間勤務制度
・育児休業制度
・始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ
・フレックスタイム制
・所定外労働の免除
・託児施設の設置・運営、育児費用の援助処置
(「 職場復帰と育児支援の法律 」の記事 終わり )
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