「産後のセックスについて」
◆ 体と心と
産後、いつセックスを再開できるかについて、まず、気持ちとか心の問題はひとまず脇に置いておき、単純に体の問題として見ていきましょう。
平均的な目安としては、産後の1ヶ月健診の頃です。1ヶ月健診で、医師からそれとなくOKサインがでたりすれば、もういつセックスを再開しても大丈夫です。
セックスをするのに人の指図などいらない、とばかりに、自分の判断でセックスを再開する夫婦(特に夫)もいるようですが、しかし、出産というのは、母胎をとても傷つける行為であり、子宮にも膣にも小さな傷がたくさんついています。そんな時期にセックスをすると、細菌に感染する可能性が大いに高まるのです。だからこそ、医師の許可を待ってから行うべきなのです。
さて、以上は、単に体の面からセックスの再開時期を見てきました。でも、いくら体は大丈夫でも、気持ちがその気にならなければ、再開してもうまくいかないでしょう。
産後のセックス再開に関しては、一般的に、ママの方が消極的になりやすい傾向があります。そして、これには理由があります。まず、疲れている、という即物的な理由が大きいでしょう。睡眠不足だし、育児という慣れないことに日々直面しているし、場合によっては、会陰切開の傷跡が気になって、セックスどころではない人もいます。
反対に、夫の方は、はっきり言って、いままでずっとガマンしてきていると言っていいはず。したがって、できることなら、早く再開したい、と思っている人の方が多いでしょう。
もちろん、妻は夫をよく見ているし、夫も妻をよく見ています。その気になって夫が妻に求めたところ、本音の部分では明らかに乗り気でない妻の様子を見て、すっかり気持ちが萎えてしまう夫もいるでしょう。そして、そんな夫を見て、とてもそんな気持ちになれない自分をどうしてわかってくれないのだろう、と不満に感じる妻もいるでしょう。そして、そうした不満顔の妻の様子を見た夫は、なんとなくおもしろくない気持ちがして、そのうちに腹立たしくなることもあるでしょう。
◆ この時期は「のらりくらり」で乗り切ろう
産後のセックスの再開は、1人でするものではないので、これなら絶対、という解決策はありません。お互いに、あの手この手、あれやこれや試行錯誤していく以外にない、と覚悟すべきでしょう。いずれにしても、決定的に溝ができるまでに煮詰まらないようにすることが最も重要です。そのためには、あまり深刻に考えずに、のらりくらりと柔軟に対応していくことが大事になってきます。
まずは、妻も、夫も、できるだけ率直に気持ちを伝えるべきです。そして、気持ちを伝えられた相手も、率直にいまの気持ちを返してあげることです。たとえば、妻が、そっけなく「疲れているんだよ」と拒否すれば、夫も、「何だ、夫婦なのにどういうつもりなんだ」と感情的になってしまうかもしれません。でも、同じ拒絶するにしても、もっと協調的、融和的、対話的なもののいい方で、率直に疲れていることを伝えれば、ひょっとして、夫の方は、「そうか、そういえば、おれももう少し家事や子育てを手伝うべきだよな。ほとんどまかせっきりでいるものな。悪いことをしたな。明日から、家に帰ってきたら、もっと子どもをだっこする時間を増やそうかな・・・」というように、明るい展望が開く可能性も充分にあるはず。実際のところ、いいセックスは、お互いを思いやるこうした気持ちの延長線上にあるはずのものです。
いずれにしても、産後、セックスを再開するにあたっては、しばらくはギクシャクするのが当たり前、と肝に銘じておきましょう。互いにあまり気持ちをとんがらせず、のらりくらりと乗り切っていきましょう。
(「 産後のセックスについて 」の記事 終わり )
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