◆ 出産予定日は、あくまでも「予定日」
統計によると、出産予定日の当日に生まれる赤ちゃんは、20人に1人といわれています。分布図のようなグラフに表すと、予定日を中心に、その前後に散らばっているわけです。つまり、出産予定日は1つの<目安>なのです。複雑で神秘的な人間のなかでも、最も神秘的な営みである出産を、あまり機械的に考えるべきではない、ということです。
実際のところ、こうした実状を反映したものの1つとして、いわゆる「正期産」ということばがあります。「正期産」ということばの響きからすると、出産予定日に産まれることを指しているように思いがちですが、実は、「正期産」とは、かなり幅のあることばなのです。ズバリ、35日間です。
妊娠37週0日から妊娠41週6日までの合計35日間、この35日間のいずれかで産まれれば、それを「正期産」と呼んでいます。このくらいの幅で産まれてくれば、それで充分「正常な時期に産まれるお産」=「正期産」と見なされるのです。
統計的には、この「正期産」のあいだに、およそ9割強の赤ちゃんが生まれています。
◆ 自然に任せるか、陣痛促進剤を使うか
出産予定日が気になるのは、出産を間近に控えた妊婦さんなら、みな同じでしょう。そして、それには理由があります。なぜなら、正常に産まれた場合はともかく、たとえば、もしも出産予定日を過ぎてもなかなか産まれない場合、そのまま辛抱強く待つか、あるいは、医療処置(陣痛促進剤の投与や帝王切開など)を受けるか、といった選択の問題が絡んでくるからです。
これに関しては、医師の間でも意見が分かれています。たとえば、陣痛促進剤に関しては、出来るだけ自然な分娩を主張する医師と、陣痛促進剤の使用に積極的な医師とに、意見が分かれているのです。そして、それぞれの主張には、もっともな理由があります。つまり、陣痛促進剤を使うと、それ相応の副作用がある、という考えと、いや、使わずに在胎週数が長引くと、胎盤の力が落ちて、赤ちゃんが危険にさらされる、だから、薬で誘発した方がいい、という考えです。
いずれにしても、出産予定日を過ぎても赤ちゃんが産まれない場合は、医師によく相談することが大切です。
◆ 出産予定日の算出の仕方
まず、生理の最終日を1日目として数えます。ここから始まって280日目、これが出産予定日になます。
妊娠の月数とか週数の数え方は、独特です。生理の周期は28日で数えます。1週を7日として、7日×4週=1ヶ月となります。通常のカレンダーとは異なります。
妊娠のカレンダーでは、妊娠期間は10ヶ月、週数で数えると40週です。
しかし、ここで気づくことがあると思います。すなわち、最終の生理日を1日目としてカウントするわけですが、これは、あくまでも、後から振替ってその日を特定する、ということです。具体的には、生理が遅れて産婦人科を受診し、そこで医師から、「あなたは妊娠5週目ですよ」と判定される、といった経過によって判明するのです。
さらに、判明するのが後追いであるばかりでなく(後追いで判明するのは、いわば、当たり前ですが)、妊娠1日目そのものが、実際には妊娠していない日であるにもかかわらず、それを妊娠1日目としてカウントされる、という点が独特なのです。
ここのところのメカニズムについて、ちょっと触れると、生理の最終日から2週間後に排卵があります。そして、排卵の1週間後に受精卵が子宮に着床します。つまり、これが本来の妊娠の始まりです。でも、妊娠の数え方としては、まだ妊娠が始まっていない生理の最終日を、妊娠1日目としているわけです。ようするに、便宜的カウント方法というわけですね。
◆ より正確な出産予定日の算出法
上記で見てきたように、出産予定日は、生理の周期が28日で規則正しくめぐっている人にはいいでしょうが、誰にも個人差というものがあり、いくら出産予定日が便宜的な数え方であるにしても、もう少し正確な算出法はないものか、と願うのが人情でしょう。
そこで、現在では、次のような方法によって、より正確な出産予定日の算出をしています。
妊娠8週〜妊娠11週のころは、統計的にいって、妊婦さんやお腹の赤ちゃんの個人差というのがとても少ない期間です。そこで、この期間に、超音波検査によって赤ちゃんの身体の大きさを測定するのです。この大きさにより、その時点での正確な妊娠週数を確定し、そこから出産予定日を割り出す、という方法です。この方法により、最初に便宜的にはじき出しておいた出産予定日に修正を加えるわけです。